大阪は下町がおもしろい
先日お世話になった方にお礼をしようと家の近所の和菓子屋さんを探していたら、ちょっとおもしろい店を見つけました。「はやし製菓本舗」という昔ながらのおせんべい屋さんで、「浪花ことばせんべい」で有名です。「いけず」とか「いちびる」とか、関西特有の言葉がせんべいに焼かれています。ふらりと立ち寄ってウワサの「浪花ことばせんべい」を注文すると、ご主人が「まあ、これを食べてお待ちください」とせんべいを2枚渡してくれました。せっかくなので、お店のことをいろいろたずねると、昭和初期から続く老舗のおせんべい屋さんだとか。さらに3軒ほど離れた所にある蔦で覆われたビリヤード屋に、もうお亡くなりになられたそうですが90歳をこえる「浪速の女ハスラー」と呼ばれた有名なおばあちゃんがいらっしゃったそうです。数年前その方の人生が本になって女優の浜木綿子さんが舞台化したんですが、そのビリヤード場に来た浜木綿子さんが帰りにこのおせんべい屋さんに立ち寄ったそうです。それがご縁で、舞台の差し入れなどにこのせんべいを使ってくれたというお話でした。ナニゲにすごい逸話を持ってるなと思って聞いていたんですが、せんべいも美味しいし、包装紙にはせんべいに書かれている浪速ことばがたくさん載せられていて、これもおもしろいです。包装紙がてぬぐいになっているものもあるので、贈答品として喜ばれそうですね。「大阪は大通りより1本奥に入った所がおもしろい」と教えてくれましたが、興味のある方はぜひ一度、趣あるビリヤード場を含めて足をお運びください。
2015年5月14日 23:06 | カテゴリー:逸球入魂コラム